何かコミュニケーションする時、物理と非同期(リモート・テキスト)はどう使い分けるべきか、について考えてみた。
デザインされていない場でのコミュニケーションは、物理の方がなんとかなりやすい。なぜなら、物理では要求される場のデザイン強度水準が低いことが多いから。
例えば「オフィスで隣の席の人に用事を済ませにいく時」に、わざわざチェックインを設計したりアジェンダを整えたりしなくても、うまくいくことの方が多いと思う。対面での会話は、適当にやってもうまくいきやすいという経験則がある。
一方、デザインされていない場での非同期コミュニケーションは、リスクを伴う。なぜなら、非同期では要求される場のデザイン強度水準が高いことが多いから。
例えばテキストで適当にコミュニケーションすると、齟齬があるまま伝わってしまったり、ちょっと関わりのあるステークホルダーから不興を買ってハレーションに繋がってしまったりする。非同期コミュニケーションにおいて十全を期すなら、コンテキストを整え、なるべく齟齬がないよう明文化を尽くして伝える必要がある。
つまり、非同期では、物理に比べ場のデザインにかけるべきコスト水準が高い。具体的にどういうコストを支払う必要があるかというと、下記のようなものが挙げられる。
では、わざわざ高いコストを支払って非同期でのコミュニケーションを行うべき理由は何か。最大の利点はスケーラビリティにある。
物理コミュニケーションが長期的に続くと、組織のスケーラビリティに対して障害となってしまうことがある。物理コミュニケーションは「小数の人間に対して密度の高い情報を与える」ことに向いており、そしてその特性ゆえに伝搬能力には限界があり、小さい単位で閉鎖しやすく、これを超えるには大きなコストがかかる。
組織がスケールしていくと、そういった小さな単位がツリーやマトリックスの中で大量に生まれることになる。小さな単位=チームのパフォーマンスが高ければ高いほど情報経路は複雑になり、輻輳し、調整コストが増大していく。